卒業生へのフィールドワーク体験教育(キャンプ事業) 2022

今年のワイルドライフ・クラブの卒業生へのフィールドワーク体験教育、通称”キャンプ事業”も、昨年に続き、4回目が無事終了しました。

6月下旬にコロナ感染が広がる可能性が疑われ、当初の予定を前倒しして、7月中に実施することになりました。

コロナ感染リスクもあるかもしれないので、昨年同様、人数の規模を小さくし、ひとりひとりの個別テントを使用しての実施となりました。

4つの村から参加者を選びました。小学生時代にサラマンドフの会の支援でツァボ国立公園への教育ツアーに参加した、ワイルドライフ・クラブ出身で、ビリカニ、カンビト、バチュマ、ブグタ各地より成人となった合計11名が参加しました。

オリンド博士の講義は、コロナ感染対策もあり、昨年に引き続き、Zoomによるオンライン講義となりました。

「みなさんの曾祖父くらいの年代ですね」との語りかけで始まり、ケニヤの国立公園の1960年代からの歴史的な話や現在の問題などまで幅広く話しました。

【Zoomでの講義をするオリンド博士(写真下). 室内の講義ではマスクをして参加した(写真左上)】

テントを準備して張るのは参加者全員にとって初体験でしたが、2~3個設置するうちに、すっかり慣れた手つきでテントを張ることができるようになっていました。

【テントを張る作業を進める参加者たち】

キャンプ地に到着したら、なんの野生動物がいるかなあ、と楽しみにしていたところ、最初に出迎えたのは、ヒヒとバーベットモンキーでした。前泊者たちの残飯のにおいをかぎつけて登場したようです。しかも、凶暴化している個体がいて、参加者たちを脅かしました。

「餌をやらないように!構わないように!」とガイドからの注意の声が飛びます。

「国立公園内でのゴミのポイ捨ては問題で、大量のゴミが捨てられていることもあります」と、宿泊する観光客や訪問者の悪いマナーがトラブルをおこしている実態を知ります。小学生時代の教育ツアーではじっくり見ることのできなかった、負の部分です。

【残飯をねらってやってくるバーベットモンキーたち】

夜中にはハイエナとライオンの鳴き声に、襲われるかもしれない、との怖さもあり、眠れない参加者もいました。早朝のフィールドでは、連続してライオンを観察し、夜中にキャンプ地で声が聞こえたライオンかもしれない、などあれこれと推測を繰り返しました。

ライオンはトラブルを起こすものと日常生活では捉えていた参加者にとって、野生の世界に生活する本来の姿を知ることができる貴重な体験となりました。

【早朝のフィールドの後、朝食を取る】

【キャンプ地にやってきたエランド】

人間の居住地から離れて、昼夜どっぷりと野生動物の世界を経験しつつ観察することにより、小学生時代にワイルドライフ・クラブのメンバーとして観た時よりも、さらに野生動物の大切さの理解を深めることができました。

【ゾウの群れとグランツガゼル】

参加者同士はつながりを深め、これまでのキャンプ事業の参加グループの中では、最も結束が深いグループとなりました。

野生動物のすばらしさを称えつつ、自分たちは本当に素晴らしいところに住んでいるんだね、私たちの手で守っていかなきゃね、などと感想を伝え合って再確認していました。

【ガイドの説明とアドバイスを聞く参加者たち】

国立公園と野生動物の保護、そして共存していこう、という内容のコミュニケーションが、キャンプ参加後も続き、どうやったら就業と関連づけていけるか、との話題も盛り上がり、ガイドやオリンド博士からのアドバイスにも聞き入っていました。

フィールド体験を通して地域住民に伝達共有されていくキャンプ事業を、今後も継続していくことの意義と効果を改めて確認できる支援となりました。