子どもたちへの支援:7月【2019事業年度(第10期)後期】

新型コロナ感染のため、子どもたちの教育ツアーの実施は、今年度後期は不可能かと案じていましたが、幸いにも、規模を縮小してひとつのワイルドライフ・クラブで実施することができました。

ケニヤでの小学校は今年度いっぱい閉鎖となっています。ただ、別途お知らせしていますように、ビリカニ村のライブラリーは再開しています。

そのライブラリーで子どもたちが厚生省の係官からの利用上の注意を忠実に守って利用していることもあり、ビリカニの子どもたちに教育ツアーを実施してもよいとの許可が出ました。ツァボ地域での感染者数は、都市部などに比べればとても少ないとはいえ、教育ツアー中の子どもたちへの感染予防を行うことが条件となり、監督者の厚生省の係官も同行しました。

【ビリカニのお母さんたちが作製したマスクを着用して参加した子どもたち。少々間隔が狭すぎたりして、注意を受けることも度々あった】

コロナ感染予防対策のため、ケニヤでは乗り物を利用する際に、定員の半分以下とすることが義務付けられていて、大型バスに教育ツアーのために乗れる子供の人数は10名と指定されました。

また、小学校は閉鎖中なので、制服での参加ではなくて、私服で全員マスクは必須、除菌消毒をしながら参加すること、バスの中はもちろんのこと、行動に当たっては十分に間隔を取ることなど、従来の教育ツアーにはない条件が要求されての実施となりました。

【エランドの群れ】

【インパラの群れ】

当日は曇天でした。国立公園は、例年、観光のピークシーズンに当たり、観光客で混み合う時期なのですが、今年は、コロナ感染対策の政府の規制のため、国立公園内は閑散としていました。野生動物たちに、人間社会がコロナ感染で危機的騒動になっているのを感知させるような行動や生活は観られず、従来どおりの行動、生活を観察することができました。

【人為的な発火で起きた火事の痕】


乾燥がかなり進んだ上、火入れの痕が一部広がっており、野生動物の生活への影響を学ぶことができました。

【閑散としたロッジ。参加した子どもがひとり歩いている】

また観光客がいないロッジも訪ねることができました。閑散としたロッジをまるで自分たちの家のように独占できた子どもたちは嬉しそうでした。けれども、観光客が全くいないことは野生動物保護にも影響することなど、観光の重要性も学びました。

【ガイドによる説明を受ける時もマスク着用、お互いの距離を取ることにもだんだん慣れてきた】

バスの中では、動物が観えるたびに、興奮した子供たちが距離を保たずに寄ってしまうため、係官から何度も注意を受けていました。距離を保ちながら、落ち着いて観察するのは難しかったようです。今後、コロナ騒動が収束しない限りは、同様の形での教育ツアーとなる可能性もあり、対処方法を検討する必要がありそうです。

【双眼鏡の使い方を学ぶ】

【早速、双眼鏡を使って、ダチョウのオスを観察】

前回(2020年2月)のブグタ小学校ワイルドライフ・クラブの時と同様に、双眼鏡の使い方を皆で学びました。これについては人数が少ない方がじっくり学ぶことができて、それぞれの子どもたちが使いこなせるようになり、フィールド観察を意義あるものとしました。

ワイルドライフ・クラブの卒業生2人がアシスタントとして同乗しました。卒業生たちは彼らが小学校の時には双眼鏡の数が少なくて、使い方を学べませんでした。子どもたちと一緒になって学んでいるシーンは、微笑ましいものがありました。

例年どおりに、教育ツアーの後、全員作文を提出しました。今年は、毎年実施してきたスピーチ・コンテストは、コロナ感染防止のため、中止となってしまったので、自信いっぱいに作文を書いた児童は、コンテストに出場して発表できないのが残念そうでした。

【ゾウの群れはあちらこちらで観察できて、ゾウ好きの子どもが増えた】

中には、ゾウが大好きになったという子どもの作文もあり、それぞれに野生動物への魅力と役割に惹かれていたようです。

今年の教育ツアーはこれで終了です。他の小学校のワイルドライフ・クラブについては、ケニヤの学校の再開は2021年1月が予定されているため、それ以降に実施を予定しています。

コロナ感染が収束して、小学校が再開予定とされている、新年度(2021年)1月以降には、従来通りの教育ツアーの形に戻って、より多くの子どもたちが参加して実施できればと願っています。